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清く澄んだ色、時を忘れるほどの美味さ。「梵 ときしらず」を味わう

2017.04.04

清く澄んだ色、時を忘れるほどの美味さ。「梵 ときしらず」を味わう

福井県の酒蔵「加藤吉平商店」で造りだされる熟成美酒「ときしらず」。
蔵元としては150年余りになり、コンクールや品評会で数々の受賞をしてきたこの酒蔵が掲げる一文字は「梵」。梵(BORN)とはサンスクリット語でけがれなき清浄、真理をつくという意味で、英語で誕生という意味があるそうです。氷温熟成という製法にこだわり、5年間熟成させ丹精込めて作り上げた上質な純米酒です。

■時を忘れるほどの魅力的な味「ときしらず」

ときしらずというと、時不知(ときしらず)という鮭を思い出しますね。回遊魚の鮭は産卵のため秋に産まれた川に戻ってきますが、ごくまれに5~6月に戻ってくる鮭がおり、その鮭を時不知というのだそう。産卵を控えた鮭と違い、とても脂がのっているため美味しいと珍重されています。

5年熟成させたこの純米酒は、この貴重な時不知の鮭と同じように、時を忘れるくらい美味いことから、「ときしらず」と名づけられました。

■氷温熟成という製法が醸し出す不思議な魅力

ときしらずは5℃という氷温熟成という製法が特徴です。
低温で保存することで、酒成分中のアミノ酸・エキスなどが古酒特有の風味を出さないフレッシュな風味のまま保てるのだそうです。氷温でも凍って固体にならない、絶妙な温度で液体のまま熟成しているため、丸い口当たりとなります。


(ときしらずの特徴や、おすすめの飲み方を教えてくれるのでとても分かりやすく、うれしいですね)

■シーンによって演じ分けられる、重鎮の役者のような味

ときしらずの酒蔵、加藤吉平商店は福井平野の南にあります。この地域は越前富士と言われる日野山から湧き出る豊かな水脈により、美味しいお米と水が有名で、酒造りに適した土地と言えます。

まず栓を開けると、すっきりとした日本酒の香りが鼻をくすぐります。グラスに注いで明りにかざすと淡い黄金色をしたきれいな色です。普通熟成酒となると黄色味が濃くなるのが特徴ですが、このときしらずは低温で熟成されているため、新酒の透明さと熟成酒の黄色味を持ち合わせている感じです。

飲み方は、ひやからぬる燗をおすすめしているので、まずはひやで1杯!
ひやで飲むと、キレの良い後味とすっきりした飲み口でお寿司との相性がよさそうだと感じました。

今度は人肌程度のぬる燗で飲んでみると…驚きました!
先ほどのすっきりさがなくなり、一気に飲み口がまったりと濃厚で後味が深まりました。
おでんや煮物など、少し味の濃い料理にも負けない存在感があります。

飲む温度によってこんなにも味の変化が楽しめる日本酒はあまりないかもしれません。
低温の熟成という製法が熟成酒の旨みと、新酒の辛みのバランスを上手に表現してくれているのですね。

■香りや味わいを楽しめる料理がおすすめ!

ときしらずの特徴は温めすぎず、冷やしすぎずという温度帯で独特の風味が味わえます。

料理でのアレンジとしておすすめなのが、マリネ。
お好みの野菜を茹でたり焼いたりした後に、ときしらずを少量からませて常温で10分ほどおき、
オリーブ油と塩こしょうをかければ簡単な「ミニトマトの和マリネ」の出来上がりです。

また茹でたごぼうをときしらずに漬けて、すりごまや砂糖などで和えた「ほろよい牛蒡」もときしらずをよりおいしく召し上がるおつまみとしておすすめしたいですね。

冷酒には、酒瓶を氷水につけてもラベルがはがれないようにプラスチック製のものを使用し、燗酒には紙製のラベルを使用しているという酒蔵のこだわりが詰まった「ときしらず」。不思議な味の七変化をお楽しみください。

(ペンネーム marinko519)