• 昭和天皇も愛したお茶請け菓子 浅野耕月堂「松乃露」

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昭和天皇も愛したお茶請け菓子 浅野耕月堂「松乃露」

2017.05.08

昭和天皇も愛したお茶請け菓子 浅野耕月堂「松乃露」

タイトルを読むとグッと引き込まれる方も多いのではないでしょうか?
浅野耕月堂の「松乃露」は昭和天皇が福井県の芦原温泉に行幸の際に、お茶請けの「松乃露」をえらく好まれてお土産にされたという話が残っているそうです。
全国には昭和天皇が気に入ってお代わりをご所望された品が12品目あるそうで、松乃露もその1つに数えられています。
様々な美味しいものを口にされてきた天皇陛下が特にお気に召された食べ物と聞くと、一体どんな味なのか一度は食べたくなりますよね。

■コロンとかわいいその姿は何をあらわしたもの??

きれいな箱を開けると中にはコロンとしたマカロンのようなかわいい形のお菓子が顔を出します。
浅野耕月堂の初代が自宅の松林に生えていた松露(しょうろ)というきのこをかたどって作り出したお菓子が「松乃露」だそうです。
松露というきのこは海辺の黒松の近くにしか自生しない大変貴重な希少価値の高いきのこで、中でも白い松露は香りも高く、大変美味だと言われています。
写真を見るとまさに「松乃露」そのもの!きのこの表面についた土を「松乃露」ではコーヒーの粉末が再現しています。細かいところまで見事に作られていて、本物の松露と見間違ってしまうほどです!
このお菓子は明治時代からと歴史も古く、当時はハイカラでモダンな味わいだと大変評判だったようです。

■鮮やかな若草色のパッケージが目を引く

「松乃露」の販売元 浅野耕月堂は福井県のあわら市にお店を構えています。
販売しているのは「松乃露」と、地元産の鶏卵を使用した耕月堂プリンのみ。
代々続く変わらぬ味に全国から注文が途切れないようですが、お店のこだわりでネットでの注文は受け付けておらず、店頭か電話での注文のみというところに先代からの変わらない美味しさを守るためのプライドを感じますね。
「松乃露」は一粒ずつ熟練した職人さんの手仕事で丁寧に作られているため大量生産が難しく、保存料などの添加物を一切使用していないため、作りおきなどもしていないそうです。
パッケージを開いてみると、上質な若草色の箱に小さな小箱が4つ詰められています。
松をイメージしたデザインと「松乃露」のフォントがハイカラな印象を受けました。

■色白で、つやのある絹肌のような「松乃露」お味のほどは?

昭和天皇が愛したというこの直径3㎝ほどの小さく素朴なお菓子。
口に入れるとサクッと崩れ、たちまち口の中は上品な甘さが広がります。
メレンゲ菓子のような軽い食感にさっぱりとした甘さ、またほどよい香ばしさがなんとも絶妙な味です。どこかで食べたことのあるような懐かしい感じとコーヒーのほのかな香りが、モダンな味わいを作り出しているのかもしれません。
自然の風土が作り上げる松露の美味しさと熟練した職人にしか作ることのできない貴重な松乃露がここでつながるのかとしみじみと感じました。

■いろいろな飲み物とぜひ合わせてみたい

浅野耕月堂では日本茶やコーヒー、ブランデーとも相性がよいと紹介されていました。
原料がシンプルなものなので、一緒にいただく飲み物の風味を邪魔しないのでしょうね。
一粒一粒がしっかりと主張した甘さなので、コーヒーでしたらブラックで飲んでみてください!
口の中でホロッと溶けてなくなる食感なので、イタリアのビスコッティのようにコーヒーに浸して
一緒に食べてみたらどうだろうと、試してみました。
スプーンにのせていただいてみると、コーヒーがほどよく松乃露と馴染んでまた一味違ったおいしさが味わえました。
お子様でしたら牛乳や豆乳と合わせると相性もよくタンパク質やカルシウムなどが一緒にとれ、3時のおやつとしてもおすすめです。「松乃露」の主原料は卵白なので、パッケージに滋養銘菓とあるようにたんぱく源が不足していた時代の貴重なおやつだったのだろうと思います。
長年同じ味を保つことは簡単なことではなく、お客様に正直に向き合ってきた店主の方の真摯な姿勢がこの小さな一粒に込められているのですね。

(ペンネーム marinko519)