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江戸時代から続く特別な贈り物「汐うに」

2017.05.12

江戸時代から続く特別な贈り物「汐うに」

越前仕立て雲丹専門店 天たつの「汐うに」。
長崎のからすみ、尾張のこのわたと共に、日本の三大珍味として有名ですね。
江戸時代から越前では漁師が年貢として塩うにを納めていたといわれています。
その当時から塩うに100gで米1俵の価値があったそうです。
創業200年の歴史を誇る『うに商 天たつ』は旧越前福井藩の松平家の御用商だったため、朝廷や幕府への贈り物として保存がきく塩うにを考案したことが「汐うに」の始まりです。

■丁寧に包まれたかわいらしいパッケージが目を引く

初めてこの「汐うに」を手にした人はコンパクトに包まれたパッケージに驚くでしょう。
宅急便を受け取り、梱包を解くと中にはコロンとしたかわいらしい手のひらサイズの赤い包みが一つ、堂々と入っていました。なんだか王様のようなたたずまい!

包みを見ると手作業で一つ一つ丁寧にこしらえていることがよくわかります。
紐の先にはビーズが通してあり、小さなところにも商品への心意気が伝わってきます。
昭和のお父さんが持って帰るお土産のような、親しみやすい印象でした。

■贅の極みを口にし、いにしえの殿上人を想う

先述にもあるように、かつてこの「汐うに」は将軍や大名、天皇などへの贈り物として作られていました。庶民には手の届かない限られた人だけが口にできる、贅沢な逸品だったのです。
「汐うに」は200年も前から変わらぬ塩蔵法で守られてきました。
原料となるバフンウニは1個から1g程度しか取れないため、100gの「汐うに」を作るには100個以上のバフンウニを使用しているそうです。
天たつの「汐うに」の塩蔵法とは、バフンウニが旬を迎える8月に1年分を収穫し手作業で一つ一つ殻からピンセットで取り出します。そして塩蔵し、日本海のミネラルを含んだ潮風をあてて熟成させることで出来上がります。
一口食べるとねっとりと濃厚なウニの味が口の中に広がります。いつまでも贅沢な余韻が舌を包み最高の幸せを感じました。
コンパクトなパッケージですが、この中に込められた職人の想いと手間、それに応える「汐うに」の深い味わいをしみじみ感じ、納得の一言です。

■あごの裏に小豆粒くらいの量の汐うにをつけて、お酒を1合飲んでいた?

昔の逸話では汐うにがあまりにも貴重なものなので、浜の漁師はあごの裏に汐うにをつけて香りだけを楽しみながら日本酒をたしなんでいたとも言われています。
それだけ芳香も素晴らしいということが分かりますね。
製造元 天たつでは小指の先ほどの少量の汐うにを少量ずつ食べることをおすすめしています。
私も旨みが凝縮されているのでなめるようにチビチビ食べるのが楽しみ方だと思いました。
一番の相棒はやはり「日本酒」でしょう。冷でも燗でも相性はぴったりですね。
料理としての私のおすすめは、シンプルに卵かけご飯です。
熱々ご飯にまず少量の「汐うに」をのせて、卵と醤油を少々。うにが溶けていつもの卵かけご飯が一気に贅沢な一品になりますよね!

次は「汐うにカルボナーラ」です。
濃厚なカルボナーラですが、「汐うに」を加えることで逆にさっぱりと感じます。
食べた後はうにの深い味わいが楽しめておすすめです。

■出会いに感謝して

今回この記事を書くにあたり「汐うに」を初めて食べましたが、今まで食べてきた塩蔵うにとは比べ物にならないほど、新しいうにの味を知ることができました。
天たつではバフンウニの卵巣を塩だけで塩蔵し、凝縮することで保存性を高めているため、保存料などの添加物は一切使用していないそうです。
伝統を引きつぐことの誠実さ、美味しさを保つことの正直さに脱帽です。
数々の賞を受賞し、ミラノ万国博覧会では世界に誇る日本の伝統食品として認められているそうです。
ぜひこの機会にご賞味されてはいかがでしょうか?

(ペンネーム marinko519)

※当店舗でも天たつの「汐うに」のお取り扱いはございますが、箱形のパッケージとなっております。
 また、甘塩で仕込んだ汐うにを粉にした贅沢なふりかけ「粉雲丹」も販売しておりますので、
 是非ご賞味ください!

写真左:店舗にて取り扱いのある汐うにのパッケージ
写真中央及び右:粉雲丹