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271 昆布専門店の作る和菓子・奥井海生堂「豆らくがん」

2018.05.02

昆布専門店の作る和菓子・奥井海生堂「豆らくがん」

奥井海生堂と言えば、昆布で有名な老舗のお店です。
そんな昆布店でなぜらくがんを…?
今回はこの豆らくがんと奥井海生堂の出会いから製造方法、かわいらしい見た目の秘密までいろいろなご紹介をしたいと思います。

■昆布と大豆は北国から船旅で福井へ

江戸時代から明治時代にかけて北海道で獲れた昆布は北前船で日本海側から、大阪の都に運ばれていました。
福井県敦賀市は寄港地として栄えており、福井県は北海道産の昆布を取り扱うお店が多く存在します。
じつは大豆も北海道の特産品。
はるばる北国から敦賀まで、昆布と一緒に長い長い船旅をしてきたのです。
このふっくらした大豆の美味しさを活かせる方法はないか?と様々な試行錯誤をして、この「豆らくがん」が生まれました。
大豆を使った豆らくがんと言えば、敦賀だけなのだそうです。
奥井海生堂では明治時代からこの「豆らくがん」を製造販売しています。

■ひとつひとつ丁寧に作られた職人の自信作

豆らくがんを口に含んだときの感想を一言でいえば、“カリッ!ほろっ!じわー!”でしょう。
見た目とは裏腹に固いらくがんをカリッとかじれば、大豆粉の香ばしい香りとともにほろっと崩れる食感。最後に待っているのはじわーッと口の中に広がるさっぱりした甘さです。

なぜなら、豆らくがんは素朴な味の中に職人のぬくもりが込められているからです。
粗挽きした大豆と砂糖、水あめを炭火で一晩じっくり焼き上げて作るというシンプルな工程ですが、型に詰めて乾燥させる作業は詰め方が悪いと、乾燥した際にヒビが入ってしまうため、機械化が進んだ現在も豆らくがんは大切に一つひとつ手作業で作られています。
原料の大豆は福井産のもの。
粗挽きにすることで焼いた時の香ばしい香りと口に入れた時のほろっと溶けてしまう舌触りが生まれるのでしょう。

■思わずほっこりしてしまう、福々しいおかめ顔

豆らくがんは福井県敦賀市内で奥井海生堂を含む6店舗が製造しています。
どのお店も同じ“おかめ顔”。「うちの子が一番のべっぴんさんだ」と言うほど形にこだわわりを持っているそうです。
じっくり見てみると…ほっこりさせてくれる不思議なお顔。立体感がある形が、より愛らしさを際立たせているのかもしれません。
奥井海生堂の豆らくがんは、中でも品の良い顔立ちをしています。らくがんとおかめの組合せは、気比神宮の御祭神、聖母神と言われる神功皇后を象ったものだと言われています。

大豆を使ったグルテンフリーの体に優しい素朴な和菓子「豆らくがん」
子どもからお年寄りまで、一つで心がじんわり幸せになれること間違いなしです。

(ペンネーム marinko519)